猫エイズ 〜りんご猫って?〜
猫エイズは怖くない?
猫エイズは正式には「猫免疫不全ウイルス(FIV)」感染症と呼ばれます。
猫エイズウィルスに感染してもすぐに体調を崩すわけではなく、正しい環境と適切なケアで穏やかに過ごすことができます。
なかには、発症せずに元気に生涯を終える猫もいます。
”りんご猫”という呼び名
保護団体ネコリパブリックさんによって「りんご猫」と呼ばれるようになりました。
この呼び名は、病気の有無だけで判断せず、猫の個性や可愛らしさにも目を向けてもらえるようにという思いを込めて名付けられています。
最近では保護団体や譲渡会でも使われるようになり、猫エイズキャリア猫をより身近に感じてもらえるきっかけとなっています。
(参考:ネコリパブリック「りんご猫とは」)
猫エイズってどんな病気?
猫エイズウィルス(FIV)はレンチウイルス科に属しており、人間のHIV(エイズウイルス)と同じウイルスの仲間ですが、種類は異なるため他の動物や人には感染しません。
主に唾液や血液を介して感染しますが、このウィルスの感染力は弱く、空気感染や飛沫感染はしません。
特に深い咬み傷などを通じて感染するため、屋外でケンカをする猫や去勢していないオス猫に感染が見られることが多くあります。
一方で、母猫から子猫への感染はまれとされています。
また、健康な成猫が感染猫と同居していても、咬み傷や激しいケンカがなければ感染する可能性は低く、長期間一緒に暮らしても感染が確認されないケースも報告されています。
感染するとどうなるの?
猫エイズ陽性=発症ではありません。
FIVに感染した猫の多くは、ウイルスを持ちながらも、外見上は健康な無症状のキャリアとして、数年~10年以上の長い期間を安定して過ごします。
ー発症した場合のリスクー
しかし、FIVウイルスは猫の免疫細胞に存在し続けるため、その後の経過で、最終的に約10~20%の猫が、免疫不全が顕著な状態(猫後天性免疫不全症候群)に進行します。
この段階に至ると、免疫不全のため、普段なら問題にならないような弱い細菌やウイルスにも抵抗できなくなります(日和見感染)。
難治性の口内炎や皮膚炎、慢性の下痢などが現れ、日和見感染の重症化、リンパ腫などの重篤な疾患を引き起こすこともあります。
健康に暮らすための工夫
エイズキャリア猫も、基本的な生活に配慮をすることで他の猫と変わらない生活を送ることができます。
完全室内飼育で外でのケンカや傷を防ぐ
定期的に健康診断を受ける
食事や水分の管理、トイレや食器の清潔を保つ
ストレスの少ない環境を整える
偏見をなくして迎えてほしい
エイズキャリア猫というだけで「かわいそう」「すぐ病気になる」と思う必要はありません。
ウイルスを持っていることは状態のひとつに過ぎず、適切な環境であれば他の猫と変わらずに暮らせます。
正しい知識を持って寄り添えば、猫も安心して穏やかに暮らせます。きっと家族の一員として、たくさんの幸せをくれるでしょう。
